1.冥王-Θανατοs-
作詞:Revo
作曲:Revo
時を運ぶ縦糸...命を灯す横糸...
其を統べる紡ぎ手...其の理を運命と呼ぶならば……
Μοιρα
Θανατοs――
其レハ冥府ノ支配者ニシテ亡者達ノ王
地上ノ者達ガ【死神】ト呼ビ畏レテイル存在
彼女モ同ジヨゥニ 愛シテル 彼氏ト同ジヨゥニ 愛シテル
王者モ奴隷モ 聖者モ娼婦モ 等シク愛デヨゥ
生者モ同ジヨゥニ 愛シテル 死者ト同ジヨゥニ 愛シテル
老人モ若者モ 詩人モ勇者モ 等シク散ラソゥ
母上...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケルノナラバ
Θハ――
生キトシ生ケル全テヲ
殺メ続ケルコトデ 奪ィ続ケヨゥ
「冥府ヘヨゥコソ!」
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
訳モ解ラズ 遣ッテ来テ 運命ニ弄バレ
貴方ハ逝ッタ 唯 逝ッタノダ
不運ナ姫君 迎ェニ往コゥ 血濡レタ花嫁 迎ェニ往コゥ
シヲ抱ク瞳 彼ハΘノ器
母ヲ殺メル夜 迎ェニ往コゥ 双ツハヒトツ
【黙したまま死を告げる冥王の瞳】
アナタ方モィズレ 知ルダロゥ
コノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θ以外
無慈悲ナ 女神ガ統べる
コノ世界ニ 平等ナド ナィノダト Θ以外
遅カレ 早カレ 避ケラレヌ 別離
ソゥ...Θコソガ死ダ
母上...貴柱ガ命ヲ運ビ続ケ
怯ェル仔等ニ痛ミオ与ェ続ケルノナラバ
Θハ――
生キトシ生ケル全テヲ
殺メ続ケルコトデ 救ィ続ケヨゥ
2.人生は入れ子人形-Матрёшка-
作詞:Revo
作曲:Revo
【ロシア人豪商:
Алэксэй Романович Зволинский】
赤く揺らめく暖炉 家にもあったのに
悲しいけれど 燃やすべき 薪がなかった
弟達はいつも 機敏に動いてた
腹は減るけど じっとしてたら 凍っちまうから
運命の贈り物 不幸を詰めた 入れ子人形
開けても 開けても 悲しみばかり
白く煌めく大河 風を切り裂いて
走れ馬車よ 家は遠いか 空駈けろ
妹達もいつも 腹を空かせてた
頑張れ末妹よ 銀のお注射 きっと快くなるさ
人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形
開けても 開けても 苦しみばかり
臥せる少女の治療費で 貧しい家計は燃え上がり
父親は遠くの炭坑で 岩が崩れて下敷きに
登りは険しき坂道も 転がり堕ちるは正に刹那
死せる少女の葬列に 愛した二人の影はなく
母親も娼婦の格好で 無理が祟って旅立てり
どんなに険しき坂道も 転がり堕ちれば正に刹那
掘っても掘っても砂ばかり どれだけ掘っても脈がない
拝金野郎の妄想さ 無駄な努力と他者は言う
それでも 夫は諦めないわ
掘っては掘っては砂埃 どれだけ掘っても切りがない
成金野郎の道楽さ 馬鹿な男と学者は嗤う
それでも 妻は着いてゆくわ
(眩く) 輝く黄金や (世界中に) 轟く名声が
(貴方は) 欲しい訳じゃない (燃えるような) 夢が見たいだけ
運命が望むのは 喜劇か 悲劇か
今もう一度【神話】を 歴史の舞台に立たせたい……
貧しい一家は離れ離れ 私は商家へ丁稚奉公
不細工な顔だと虐められたけど 誰よりも必死に働いた
私(貴方)を支えたのは家族の存在と 母の形見となった一冊の【叙事詩】
――“運命は残酷だ されど彼女を恐れるな
女神が戦わぬ者に微笑むことなど 決してないのだから”――
人生は贈り物 不条理詰めた 入れ子人形
それでも私(夫)は掘るだろう(でしょう) そこに穴がある限り……
3.神話-Μυθοs-
作詞:Revo
作曲:Revo
始源 世界には唯混沌あり 軈て 万物の母なる者の目醒め
母なる者 混沌より子を成さん 其は即ち 創世の三楽神である
長兄神と末妹神が交わり
朝神と夜女神
次兄神と末妹神が交わり
太陽神と月女神が生まれた
朝神と夜女神から
大地女神の眷属
太陽神と月女神から
海原女神の眷属が生まれた
母なる者 自ら天空双神の眷属を生み
最後に【死すべき者】――即ち人間を創った
時を運ぶ縦糸...命を灯す横糸...
其を統べる紡ぎ手...其の理を運命と呼ぶならば...
嗚於...女神よ...貴柱はどんな世界を織り上げるおつもりか?
第六の地平線「Μοιρα」
創世詩奏で始めた 神話華やぐ時代
語り手は誰ぞ 謡い手は誰ぞ
詩女神の娘達
長女・Ιωνια 次女・Δωρια 三女・Φρυγια
四女・Λυδια 五女・Αιορια 六女・Ροκρια
我等
【詩女神六姉妹】
4.運命の双子-Διδυμοι-
作詞:Revo
作曲:Revo
後の世に楽園と謳われる
詩情溢れるアルカディアの山々
暮れ泥む秋の日の憧憬――
其れは...未だ世界の悪意を識らぬ幼子の戯れ...
――そして...季節は廻り...
運命の歯車は再び...静かに廻り始める……
二度と還らざる 淡き少年の日々
空を翔る鳥は何処までも 飛べると信じてた
やがて振り返る 淡き少女の日々
水に映る月を何時の日か 取れると信じてた
(生まれた時から 一緒だった)
(二人は何時も 一緒だった)
(絶えず 一緒だった)
優しい父と 美しい母と
そんな日々が何時までも 続いてゆくと信じてた
運命に抗う者と 運命を受け入れる者
嗚呼...運命を殺める者と 運命に捧げられる者
野山を駈け廻った 流れる雲追いかけて
夕暮れに漂う匂いに 二人は家路を競った……
狡猾な蠍の影...
廻り始めた歯車は誰にも止められない……
5.奴隷市場-Δουλοι-
作詞:Revo
作曲:Revo
…ほら 荷馬車が揺れりゃ
…そら 老婆も《吃驚し怖れ慄く》
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い
…ほら 馬鞭が撓なりゃ
…そら 老爺も《挙動不審になる》
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い
る回る 車輪は廻る 運命は彼等を何処へ運ぶ
背中合わせの温もりだけが 双りに灯る唯一の希望……
重い足取りで 念いは届かず
疲れた身体で 運命だからと
何処へ 何処へ 彼等は何処へ向かって行くのかしら?
何故 何故 彼等は何故に行かなければならないのかしら?
平等なんて嘘なの? 幻想なの?
命に値段をつけられる場所
墓
其れが奴隷市場 奴隷市場 奴隷市場……
離れ離れ 繋いだ手と手 遥か遥か 引き裂かれて
る巡る 季節は廻る 運命は双りを何処へ運び
今は見えざる歴史の涯に 舞い降りるのは誰の光……
6.雷神域の英雄-Λεωντιυs-
作詞:Revo
作曲:Revo
雷を制す者
世界を統べる王と成る
【アルカディア第一王子:Λεωντιυ_】
野を朱く染めながら 黄昏は 世界を誘い
刃を緋く染めながら 我々は 生命を誘う
夕闇へ 冥闇へ
生ける者にとって必要なものは 死せる者にとって不要なものばかり
何が欲しいのだ 屍と成ってまで 握りしめた手に 何も掴めぬまま
夕闇へ 冥闇へ
東方では 異民族の侵攻 苛烈で
風の都は今 難攻不落の城壁を 築いているという
同胞同士が 争う傍で 時代は確かに疾り始めている
神託を疑えば 立てる大地が揺らぐ 解釈の自由が故 諸王は悩むのだ
「青き銅よりも強かな 鉄を鎧う獣が
風の楯をも喰い破り 流る星を背に 運命に牙を剥く」
太陽 闇 蝕まれし日
生まれ堕つる者 破滅を紡ぐ
7.死と嘆きの風の都-Ιλιον-
作詞:Revo
作曲:Revo
【高級遊女:ΚασσανδραとΜελλισαと其の見習い】
女蛮族のような腕力はないけれど
芸のない唯の売女とは違うわ
嗚呼...花代と真心を引き換えに美しの夢を売る...
敬愛する詩人のような教養はないけれど
学のない唯の街娼とは違うわ
嗚呼...元々哀しき奴隷の身とはいえ
今は咲き誇る薔薇【高級遊女】
花開き風薫る春を鬻ぐ以外
身寄りなき娘には何もないけれど
憐れみならば要らないわ...馬鹿にしないで...
アナタの其れは愛じゃない!
【風の都】
壁石を運ぶ者 乾いた音に打たれ
医師を叫ぶ者 地に臥して虚しく
奴隷達の多くは背後に黒き影を纏っていた...
遺志を継げる者 奴隷の替え数多
縊死を遂げる者 冥府への逃避行
その影は他の者には視えていないようだったが
少年は何時からかその存在に気付いていた...そして――
その影を纏いし者はそう遠くない内に確実に死んでいったのである……
愛と慈しみだけに 抱かれ育った少年は
怒りと憎しみだけを 抱いて今を耐え忍ぶ
いっそ死んだらラクだなんて きっと今よりマシだなんて
酔った譫言繰り返して 去った希望に追い縋った
そんな負け犬のように 運命に飼い馴らされはしない
たとえ奴隷が犬であれ 剥くべき牙は忘れない
オオカミは奔る前に 満月に吠える
人は誰もが 死すべき運命を背負い
儘...抱いて抱かれて 寂しさを愛で埋める
されど彼等の多くは 死すべき運命を呪い
儘...奪い奪われ 虚しさで胸を満たす
少女の頬を伝わる 清らかな雫を
汚らわしき舌先が 掬いかけた刹那
繋いだ手と手 駈け抜ける風の都
降り注ぐ星屑 夕闇の風の都
嘆きと死の城壁 聳え立つ風の都
振り返る背後に 遠離る風の都
神域を穢した者を 風神は決して赦さない
その怒りは 雨女神と交わり 娘を生むだろう……
8.聖なる詩人の島-Λεσβοs-
作詞:Revo
作曲:Revo
【詩を詠む聖女:Σοφια】
嗚呼...哀しみは海の色 蒼く碧く
嗚呼...苦しみは波の音 強く弱く
少女の頬は薔薇色に 輝きて美しの
されど若き蕾は 悲しみに濡れて 未だ開かず
閉ざした瞳は対の闇 暗く冥く
鎖ざした菫は終の夢 甘く苦く
何もない場処だけれど 水と光 愛は満ち足りてよ
ようこそ此処は【詩人の島】
海原女神と太陽神 腕白き美女神の聖域
貴方が見て来たものも 嗚呼...世の真実
不条理ばかり訪れる 嗚於...嫌な現実
されど世界は 其れだけではないのよ
ねぇ...お嬢さん 宜しくて?
辛いし痛いし酷いし嫌だと 泣き喚いてみても
運命の白き糸を 人間は紡げない
怖れず揺るがず妬まず恨まず 誰よりも強かに
美しく世に咲き誇る 女に成りなさい
紡がれる縦糸――
聖女は少女の不思議な力を見抜き
彼女が生きる道と術を示した
【記憶の水底】
かつて (そうね) 烈しく (誰より) 愛した人がいたのよ (彼女にも)
されど (今は) 遠くへ (彼岸へ) 行ってしまったわ……
愛とは褥に仕える為の 奴隷ではないわ
まして子を孕む為の 道具ではない
嗚呼...天空を大地を海原を人間を 己が運命を愛し
哀しみさえ糧に出来る 女に成りなさい
9.遥か地平線の彼方へ-Οριζονταs-
作詞:Revo
作曲:Revo
【暗誦詩人:Μιλο_と其の弟子】
少年の今は旅の空 賢人の詩も上の空
幾年も仰ぐ高き空 老人は嗤う蒼き空
少女を尋ね幾千里 海原渡り征く海里
彼女を捜す侭山里 高原臨む彼の郷里
天の隨に 咲ける星屑
運命に惑う一片 寄り添う双星
嗚於...故郷よ (嗚呼...還らざる夢) 倖せだった (季節達よ)
幼き日々の (嗚呼...残照が尚) 未だ眩く (胸を刺す)
二つ並んだ 野晒しの墓標
朽ちた花飾り 葬ったのは誰ぞ?
青年は今も旅の空 詩人の島は遠き空
聖女を尋ね復千里 恩人と別れ復海里
【港を賑わす風の噂】
10.死せる者達の物語-Ιστορια-
作詞:Revo
作曲:Revo
旅人よ お前の背には 黒き闇 死が纏う
残された 季節も知らず 風よ 何処へと吹くのか?
一方その頃――
東方防衛同盟に参加したアルカディア軍は
女王アレクサンドラ率いる女傑部隊と戦端を開いていた
運命よ お前の手には 白き糸 音に揺られ
紡がれた 所以も知らず 我は 何故に征くのか?
一方その頃――
尚も戦火は世界を駈け廻り
翻弄される者達 それぞれの季節が過ぎてゆく
嗚於...懐かしき故郷よ
遥けき面影 あの稜線は 今も燃えている
秋が廻れば 兄妹 また双り 憶い出すのでしょう
夕陽に潜む闇が 今も 紅く胸を抉る
嗚呼...茜空よ 人間は何に従うべきで 何を探すべきなのか?
背中で聴いていた鼓動 今でも憶えてる旋律
よく似た星を抱いてる 君を何時も傍に感じてる
「さよなら」言ってないだろ(もの) また僕らは(二人は)出逢えるから
何処かで双星を見てる 君を現在も傍に感じてる
泣き虫だった兄 少年が剣を取るならば
お転婆だった妹 少女は楯を取るのだろうか?
廻る廻る 運命の回転木馬
物語は幾つかの地平を廻り続ける……
手を伸ばし掴んだ筈の宝石は 掌から零れ落ちるものばかり
奪い合い 憎み合い 血を流し続けるのか 戦に明け暮れる世界よ
我等は今 何と戦うべきで 何を守るべきか
嗚呼...星空よ 人間は何を畏れるべきで 何を愛すべきなのか?
滅びへ向かう光よ 全ての死すべき者達よ
嗚於...同胞よ 人間は何を育むべきで 何を遺すべきなのか?
いずれ歴史は語るだろう【死せる者達の物語】を……
11.星女神の巫女-Αρτεμισια-
作詞:Revo
作曲:Revo
いつの世も 星屑は人を導き 人を惑わす
生を憂う娘にも 愛に狂う女にも その光は同様に降り注ぐ……
灯る星は 闇に騒めき 廻り来る焔の明日を示す
夜空を翔ける 星女神の馬車は 地へと向う対の風
嗚呼...開かれし《黄道十二宮》
御子は星屑の矢で誰を射る?
天球の隨に...嘆くのは【獅子宮】
流る星は 闇に安らぎ 廻り行く焔の明日を示す
夜空に架ける 詩女神の橋は 紫へと至る終の虹
嗚呼...秘られし《黄道十二宮》
巫女は星屑の灯に何を観る?
天球の隨に...揺れる【双子宮】
運命の隨に...堕ちる【乙女宮】
我等を試すように...天は絶えず難事を降らす...
その神意を人間は疑わずに唯...受け入れることしか出来ない
嗚呼...哀しい運命だと知っても……
宵闇の来訪者 招かれざる者達
兵装の闖入者 騒乱の星女神殿
嗚呼...踊る宵の影 神託に
無慈悲に迫る問の声 選択を
ごめんね...兄さん 誰かを犠牲にしてまで
私は抗えない 儘...運命に従うでしょう……
唯...星は瞬く
12.死せる乙女その手には水月-Παρθενοs-
作詞:Revo
作曲:Revo
神への供物 生贄という名の因習
加害者は誰で 被害者は誰か?
運命は犠牲者を選び また屠るのだろう
問題となるのは 個の性質ではなく 唯記号としての数量
「Μοιρα」
残酷な神が統べる 私が生まれた世界
怖れず 揺るがず 全てを愛す 女に成れたかな……
やがて香しく 花開く乙女達
咲き誇る季節は短し されど
燃ゆる唇に 唯 緋き愛の詩
美しく散るのも また《花の命》
揺れる瑠璃色の月 とても綺麗なのに
悲しまないで 過ぎ去りし灯も 運命の贈り物
死せる蒼白き乙女 とても綺麗だった
やっと逢えたね 捜したんだよ 君の面影を
嗚呼...この哀しみは 何に例うべきなのか…
嗚呼...まるで心を 二つに引き裂かれたような 烈しい痛み
ねぇ憶えてる 遠き日の我侭
水面に映る月 手を伸ばす少女
終に手に入れたんだね(よ)――
嗚呼...さよなら...さよなら...私の片割れ
嗚呼...さよなら...さよなら...私の片割れ
さよなら...お別れさ(ね)...もうヒトリの私
13.奴隷達の英雄-Ελευσευs-
作詞:Revo
作曲:Revo
――自由か死か...
歴史に刻むのは彼等が生きた戦いの証
あの日の少年には 空を征く鳥が何よりも自由に見えた
嵐女神の気紛れで 為す術もなく地に墜ちるというのも知らずに
彼は何処に征くのだろうか?
ヤァ 息仔ョ 失ゥコトノ 堪ェ難キ痛ミニモ モゥ慣レタカィ?
何もないのだ 希望など遺されていないのだ もうお前(私)には……
生命とは 喪われるもの……
あの日の少年――
運命に翻弄され続けし者――
黒き剣を取った彼の復讐劇が始まる
月日流れても 繰り返す愚行
血汐流しても 止められぬ不幸
何処へ 何処へ 何処へ向かって行くのかしら?
何故に 何故に 何故に行かなければならないのかしら?
平等なんて幻想 死以外の約束など 交わせはしない
人間は皆 運命の哀しい奴隷だというのに
その奴隷が 奴隷を買うなど 笑えぬ喜劇だ
諦めるな 抗うのさ 無力な奴隷は嫌だろ?
剣を取る勇気があるなら 私と共に来るがいい
――自由か死か...
縦糸は紡がれ 時代は廻る 紫眼の狼と呼ばれし男
各地の奴隷達を率いて 異民族が統べる鉄器の国へと奔った
神が持つ永遠に比ぶれば 人間は刹那
冥闇は世界を侵し 英雄達は流る星へと消えて逝く
傀儡と化した王 かつての勇者を射た星屑の矢
其の射手を刺したのは蠍の毒針 其の蠍を屠ったのは雷の獅子
死せる英雄達の戦いは未だ終わりを告げず――
東方より来る足音 運命に導かれ やがて二匹の獣は出逢うだろう……
14.死せる英雄達の戦い-Ηρωμαχια-
作詞:Revo
作曲:Revo
【歴史は駈け廻る】
不死なる者が薙ぎ払う 紅い緋い死の渚
今は物言わぬ屍 彼等にも物語があった
されど ささやかな希望さえ 運命は赦さなかった
変わり果てた彼等に 接吻する者は
愛する恋人ではなく 飢えた禿鷹のみ……
レグルスは東夷に備えろ ゾスマは北狄に備えろ
カストルは聖都へ供を
我等【雷神に連なる者】 皆生きてまた逢おうぞ!
「運命は残酷だ されど彼女を怖れるな
女神が戦わぬ者に 微笑むことなど決してないのだから」
「人間は皆 何時までも無力な奴隷ではない
戦うのだ 気紛れな運命と 未来を取り戻す為」
【遂に出逢し二匹の獣】
奪い合う 時代の覇権 永遠なる調べよ
駈け廻る趨勢 生命は流星 刹那の煌
死せる者達が 駈け抜けた 神話の時代よ
屠り合う英雄 死して冥友 去り逝く運命
15.神話の終焉-Τελοs-
作詞:Revo
作曲:Revo
――そして
或る男の手により冥府の扉が 開 かれる
...其れこそが...永き神話のオワリを告げる
彼の無情な戦い【死人戦争】のハジマリであった
老婆であるとも...少女であるとも...詩人が騙るように...神話は物語る...
万物の母たる創造主
運命の女神
「Μοιρα」
未だその姿を見た者はいない……
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